長尺フィルムの巻き込み作業初体験

最新状況
 この記事中に出てくるフィルムの価格は、2013年当時のもの。現在はもっと価格が上がっているので皆さんお馴染みの購入先に問い合わせみて下さい。私の場合は、アメリカはNYのB&H というストアから個人輸入しています。Kodakもそれ以外の海外フィルムメーカーも、2013年当時と比べると、価格が大幅に上がっています。しかし、日本のカメラ量販店などでパトローネで購入するよりかは、長尺フィルム(長巻)を購入して自分でパトローネに巻いた方が36枚撮り一本当たりの値段が相対的に安くなるという状況は、今も変わってはいません。

35mmのモノクロフィルムでの撮影が好きになって、だんだんフィルムの消費量が増えてきました。特に、EOS7s、EOS1V、GR1Vに加えて、LeicaM3を購入して以降は、GWや夏休みなど、まとまった休みがとれて、撮影の機会が増えるタイミングでは、36枚撮りのフィルムを、1か月で30本以上消費することも。

フィルムのコストを少しでも削減するため、長尺フィルムとフィルムローダーを購入することにした。長尺フィルムは、100フィート(約30メートル)の長さがあり、これを12枚、24枚、36枚など自分の好きな撮影枚数分に分けてパトローネに自分で巻き込んで使う。自分の好きな長さに巻けるというのは有難い。例えば、同じ被写体を同じ条件で撮影したフィルムを複数用意して、それぞれ異なる条件でフィルム現像して、写真の仕上がり具合を比較テストしたいという場合、フィルム一本当たり、3~6枚分のみ巻きたいなんてケースもあるかと。この場合、市販の24枚撮りまたは36枚撮りフィルムだと、かなり無駄がでる可能性がある。もちろん、あまった部分は、ほかの撮影目的で使えばよいわけであるが、すぐに現像して比較したい場合、やっぱり少ない枚数分のみ巻きたいというケースもあるかと。 自分の撮影目的に合わせて、フィルム一本当たりの巻き取り長さを調整できるということには、結構メリットがあると思う。

今回、ヨドカメさんで購入したコダックのTRI-X400(TX400)の長尺フィルムの場合、100フィートで¥5,980。これから36枚撮りのパトローネを自分で巻き取ってみたところ、19本できた。ただし、最後に巻きとった1本は、31枚分しか巻けなかった。よって、この最後の一本の端数を考慮して、36枚撮りで一本当たりのお値段を計算すると¥317になる。方、TX400の36枚撮りを1本だけヨドカメさんの店頭で買うと、お値段は、¥480。従い、36枚撮りのフィルムを単体で買う場合よりも、長尺フィルムから自分で36枚づつ巻き込む方が、約34%お安くなる。フィルムが安かった時代は、プロの写真家の皆さんも長尺フィルムを多用されていたのか、昔は40%以上安くなったようだが、デジタル全盛のこの時代、やはり長尺フィルムも高くなっているようで.....。それでも、34%のコストダウンは、個人的にはとても大きいと思う。

一方、この間の週末購入したTX400の使用期限は、’14年の12月。僕の撮影ペースなら36枚撮り18本(+31枚)分であれば、十分に使い切れる(おそらく、半年も掛からんだろう)。
今回購入した長尺フィルムのパッケージの中身は以下の写真の通り。もちろん、長尺フィルムの写真は撮れない。明るいところに出すと、感光してしまって使えなくなるから。長尺フィルム本体は、以下写真の缶の中に入っている。缶の中では、さらに黒いビニールの袋の中に入って、感光しないように配慮されている....と今だから書けるが、今回初めて暗室でこのパッケージを開封した時には、ちょっとドキドキ。

今回、初めて真っ暗な暗室でパッケージを開けたわけで、一体中身がどうなっているのか分からないものを、手探りで開封して、長尺フィルムを取り出し、フィルムローダーに詰めた。

フィルムローダーは、長尺フィルムをパトローネに巻き込むためのもの。僕はヤフオクで、フィルムローダーを調達。昔のLPL製のフィルムローダーが、完全未使用の状態で出品されていたものを、¥1,000で落札。

最初に、長尺フィルムをフィルムローダーにセットする作業だけは、完全暗室状態で行う必要がある。ダークバックの中でセットすることもできるが、僕の場合は、週末にお風呂場を一時的に暗室状態にして、フィルム現像や引き伸ばし作業を行っているので、お風呂場でセット。

以下の写真は、長尺フィルムをセットした後に撮ったフィルムローダーだが、表面に黒いテープ(パーマセルテープ)がベタベタ貼ってある。これは、完全に僕の取り越し苦労。もしかしたら、蓋に隙間があって、フィルムが感光してしまうのではないかと思って、お風呂場暗室で、長尺フィルムをローダーにセットしたとき、真っ暗な状態で、手探りで、蓋の隙間とか角の部分に、遮光目的でテープを貼りまくった。約¥6,000もする長尺フィルム。万が一にも光が入って感光してしまったら、長尺フィルムを買った意味がなくなってしまうと思ったから。でも、この作業は、多分必要ないかと.....。

フィルムローダーの中身は、以下の写真の通り。真っ暗な中で手探りでセットするのが、今回初めてであったこともあって、長尺フィルムをセットするのには、少々手間取りました。特に、写真左上のローラーの間で入り組んでいるあたりに、真っ暗闇でフィルムを通すのはチョット一苦労。
でも、次回以降も、同様の作業を続けていれば、だんだん慣れてくるかと。


フィルムローダーに長尺フィルムを詰めさえすれば、パトローネに巻き取って小分けにする作業は、明るい場所でできる。
パトローネは、フィルムローダー用に空のものが販売されているが、ここでもコスト削減目的で、今まで使った36枚撮りのパトローネを、自家現像したときに捨てずにとっておき、それを18本用意してリサイクル。自家現像で、現像タンクのリールにフィルムを巻き取ったあと、フィルムを少し長めに残して切断。そのパトローネ側の切断部と長尺フィルムの端を、以下の写真のようにテープで固定。あとは、パトローネ装填部の蓋をして、フィルムローダーのハンドルを回して、必要枚数を巻きとっていく(今回は、36枚づつ巻きとった)。

 

 巻き取っていくと、フィルムローダー裏側のカウンターが、カチカチと動いて、何枚分巻きとったかタイムリーに判断できるので、巻き取り作業は、いたって簡単。巻き取ったら、フィルムをはさみでカットします。あとは、この作業を、長尺フィルムがなくなるまで繰り返すだけ。
今回、36枚分に巻きとった18本(+31枚分)のパトローネは、いままで単体で購入していたフィルムと同じように、使用するまでは、密閉袋(ジプロック)に入れ、さらにそれを密閉容器に入れて、冷蔵庫で保管している。

 デジタル全盛のこの時代、長尺フィルムを使う人もドンドン減っていると思うが、手に入る間は、使い続けるつもり。ヨドカメさんの店頭には、よく使うイルフォードのデルタ400の長尺フィルムがなかったので、注文しておいた。

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