LEICA

アナログとデジタルで楽しむライカ

私のLeicaMy Leica 

カメラ

Leica M3

 Leica M3を2011年からずっと使い続けている。まだ、千葉県の船橋市に住んでいた頃、銀座のカツミ堂さんで購入。現在の日本には、銀座や京都をはじめライカショップが沢山ありますが、第二次大戦が終わって以降、初めて銀座にライカの直営店が出来るまでの間は、カツミ堂さんが日本におけるソールエージェントだったのではないかと思います。M3を購入した当時、私は仕事柄日本全国に出張に出掛けることが多くて、仕事が終わると行く先々で中古カメラ店を見て回っていました。色々と見て比較した結果、カツミ堂さんには他店よりも状態のよいLeicaが非常に多いように思えて、こちらで最終的にM3を購入することに決めました。

Traveler's Factory と Photolab hibiさんのコラボ製品とLeica M3
Leica M3とPhotohibi + Traveler’s Noteのコラボ企画品

 LeicaM3やその他のフィルムカメラで撮影する楽しみは、その後に続くフィルム現像と引き伸ばし作業も含まれると思う。今の時代、後述のM11 Monochromはその典型と思うが、ダイナミックレンジはフィルムよりも現代のデジタル最新機種の方が広い。でも、普段仕事や生活の中で液晶や有機ELの画面をじっと見ていることが多い私は、デジタルカメラでの撮影やインクジェットでのプリントだけでは何だか気持ちが休まり切らないし、できればデジタルでの撮影と並行して、完全アナログの銀塩プロセスにもとても惹かれそのプロセスを楽しみ続けたいとずっと思っている。現実、2010年以前に初めてフィルム現像と引き伸ばし作業を経験して以来、今もまとまった休みが取れる時には暗室での作業を続けている。この間はパソコンやスマホの画面を見ることはなく、デジタルのプロセスにはない安らぎの中で写真を楽しみ続けている。

 最近、またLeicaM3で撮りたい理由が一つ増えた。2010年以前に引き伸ばし作業を始めた頃から、いつかは旧Leitz(現Leica Camera AG)製の

  • Focomat Ic
  • Focomat IIc
  • Valoy II

 を全て揃えたいと思ってきた。Valoy IIは、まだ千葉県は船橋市に住んでいた2014年に、当時代官山にあった古い写真機材を扱っていたお店で購入した。北欧の病院の倉庫で恐らく1960年代からずっと新品同様で眠っていたものをこのお店が買い付けて輸入された直後に購入出来た。Focomat Icは京都に引っ越してきてしばらく経ったころ、大阪は摂津市の写真愛好家だった方のご遺族のご好意で今後も使い続けることを条件に無償で譲って頂いた。

 だかこの10年以上の間、Focomat IIcだけは購入可能な価格の範囲内で実用レベルの個体になかなか出会えずにいた。それがある方のTwitterのDM連絡が切欠で、2023年の春につい手に入った。かなり有名な写真家さんが長年お使いになられて来た個体をお安く譲って頂いた。長野県の氏のアトリエからご自分の車に載せて私の京都の自宅にまで持ってきて頂いたことには誠に恐縮至極であったがようやく念願叶ったのだ。実用レベルのFocomat IIcを諦め切れずにどうしても欲しかった理由は、Hasselblad503CXを京都に引っ越してきてから暫く経った頃に使い始めたことが大きい。他の2つの引伸機は135フィルム向け。6X6には対応していない。だがもう一つの興味は、Focomat IIcは135フィルムにも対応していることだ。LeicaM3で撮ったフィルムを現像して、その日の気分でValoy II, Focomat Ic, Focomot IIcから選択してバライタ紙に焼き込む….。銀塩モノクロが好きな写真愛好家にとって、これ以上の贅沢はないと勝手に思っている。

Focomat 2C
私の暗室にお出迎えしたFocomat IIc

Leica M11 Monochrom

 人生初となるデジタルLeicaとしてどの機種を購入するかは、数年間に渡って悩みに悩みまくった(とても楽しい悩み)。選んだのは2023年4月に発売となったLeica M11 Monochrom。

My Leica M11 monochrom 
My Leica M11 monochrom 

 正直、お値段は安くはない。モノクロしか撮れないし、動画は撮れない。それでもなぜ購入したのかと聞かれれば;

  • モノクロの作品作りの幅を広げたいしもっと楽しみたい。
  • Leica M型だから。
  • 最新デジタル機だけど光学ファインダーを搭載している。
  • 操作系が今までのアナログのM型ライカに非常に近い。
  • 余計なものを全部削ぎ落したシンプルさ。
  • M3発売当時から変わらないアイコニックなデザイン。
  • モノクロ基調のボディデザイン。
  • モノクロフィルムで撮る時と同様に黄、赤、橙、緑、赤外フィルターの効果を生かせる。
  • 裏面照射CMOSセンサーからカラーフィルターをとり除いた状態でモノクロ撮ったらどうなるかという興味。

 …といったところだろうか。 

特に、M11 Monochromを購入して暫く経った’23年6月、右目に網膜裂孔と硝子体出血を併発した。治療中は、明るい被写体をミラーレス機のビューファイダーや背面液晶で見ると光が強すぎ、乱反射してとても見難い状態が続いた。そんな時でも、LeicaM3, Leica M11 Monochrom, Hasselblad 503CXの光学ファインダーで見る自然な像は、もちろん平常時に比べれば見難い状態であったが、ミラーレス機の液晶画面やビューファインダー内部のCMOSセンサー由来の像を見る場合よりかは遥かに見やすかった。

球面レンズ

Summilux 50mm f1.4 (2nd ver.)

 スキヤカメラさんで購入。私にとっては人生初のライカレンズ。今もM3やM11 Monochromniと合わせて愛用しています。球面レンズなので、特に絞り解放付近では、ブラックミストフィルターをかけたように点光源が独特の滲み方になる。

Leitz Summilux 50mm f1.4 第2世代
人生初のライカレンズ Summilux 50mm の第2世代

 このレンズのLeica純正のレンズフードは被せ式。保護フィルターの上から赤、黄、橙、PLなどのフィルター類を手軽に付け替えしたいと思っていたところ、偶々購入したライカ純正品に似せたスリット入りのレンズフードが、先端にネジ切りしてあって、フィルター径52mmの各種フィルター類を付けることが出来ると分かり大変重宝している。購入時に付いていたライカオリジナルの被せ式レンズフードは普段は箱に入れて保管し、もっぱらこちらの運よく見つけたフードを合わせて使っている。

Summilux 50mm f1.4 (2nd. ver.)+PL Filter
保護フィルターをレンズに付けて
その上にライカオリジナル風レンズフードを装着し
更にフード先端にPLフィルターをねじ込んだケース

Summilux 35mm f1.4 (2nd)

 こちらのレンズは、ある写真家の方の私物だったものを比較的お安くして頂いて購入。所謂球面ズミルックス35mmの第二世代。このレンズの第一世代は、クセ玉として非常に有名。第二世代は1967年から製造開始されてセリアルNo.は、2,166,701 〜 3,602,700。Leicaのカナダ製とドイツ製のものがある。私の個体はドイツ製で、セリアルNo.が3537995で、このレンズの最終製造年が1995年であることを考えると、恐らく’90年代に入ってから製造されたものと思われる。先ほどご紹介した50mmの第二世代と比べると、非常に素直な写り。でもやはり今のレンズにはない柔らかい写り。M3で使用する場合、ファインダーには35mm用のブライトフレームがないため、外付けのヴューファインダーが必要となる。ピント合わせはレンジファインダーで、構図確認はヴューファインダーでというのが面倒といえば面倒かもしれないが、休みの日に今住んでいる京都市街の狭い路地とかで撮る時には、これくらいノンビリと撮った方が楽しく感じる…..というのは私だけだろうか?

Summilux 35mm f1.4

このレンズのフードが所謂被せ式で、フィルター装着用のねじ切りがなく、専用のシリーズ7のフィルターをフード中間部に挟み込むように仕込む独特の仕様。購入して以来、フード先端部にねじ切りを設けて、手軽にPLフィルターやその他フィルター類の付け替え・脱着をワンタッチで出来るようなフィルターワーク用のレンズフードがなんどか出来ないものかと考え、試行錯誤を繰り返して、ついにライカ製のオリジナルフード(12504)を改造した望み通りのフードに仕立てることが出来た。

ライカ純正の被せ式レンズフード12504の先端側半分を自作して、先端部に各種フィルターを付けられるようした上で12504の土台部分にねじ込んで装着した状態。
ライカ純正の被せ式レンズフード12504の先端側半分を自作し
先端部に62mmの各種フィルターを付けられるようにネジ切りした上で
12504の土台部分に先端側半分をねじ込んで装着した状態。

非球面レンズ

APO-SUMMICRON-M f2/35mm ASPH

 2022年の2月にオーダーして、手元に届いたのは2023年の7月。自宅の近くで祇園祭の宵山が始まろうかという時だった。非球面で最初にこのレンズが欲しかった理由は、京都はわりと狭い路地とかが多くて、そのような場所だと50mmよりも広角の方がよいのではと思ったから。もう一つの理由は最短撮影距離が30cmとM型ライカ用のレンズとしてはかなり被写体に寄って撮れるから。我が家の猫たち(グレクロ)を沢山撮るのが楽しみ。

APO-Summicron-M 35mm f/2 ASPH
APO-Summicron-M 35mm f/2 ASPH

 このレンズをM3に付けてILFORD Delta400 Proと合わせて撮ったらどんな写りになるのか、それも楽しみである。

APO-Summicron-M 35mm f/2 ASPHをLeica M3に付けてみた。
APO-Summicron-M 35mm f/2 ASPHをLeica M3に付けてみた。

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