KYOTOGRAPHIE2026(2日目)とLeica Gallery Kyoto

圧巻の展示内容

 KYOTOGRAPHIE2026 2日目の昨日は、午後になってから京セラ美術館で3つの作品展示を観覧する予定だった。

京セラ美術館

 しかし….森山大道の展示会場に入った後、他の展示は来週末以降にまた観に来ようと、急遽予定を変更。それくらい、A Retrospectiveの展示会場に長く居続けた。とにかく、圧巻の展示内容。作品の数も、展示の構成も素晴らしく、作品の数々がこっちに向かって迫ってくるような圧倒的な存在感。

 特に私が好きなのは、森山さんが東京、特にその中でも新宿界隈を撮った作品の数々。私は石川県金沢市に生まれたが、物心ついた頃には神奈川県にいた。小田急線の相模大野駅から徒歩10分くらいの場所。1970年代後半に中学生なった私は、友達と映画を一緒に観に行こうという場合、いつも小田急線で新宿に観に行っていた。その場所は、コマ劇場があった辺りで映画館が集中して沢山あった。60年代、70年代の新宿は過激都市だった(らしい)。80年代に入るとそんなに危ない場所だという感じはしなかった。むしろ、住んでいた相模原市やそのお隣の町田市は、中学の不良学生が先生を襲うような校内暴力が社会問題化したその中心的な場所だったから、その粗れ方からすれば、新宿の方が洗練されているように感じていた。だが、両親はいつも心配していた。映画を観たら、必ず真っ直ぐ帰ってこいと言われ続けていた。

 コマ劇場前の映画館に行くためには、歌舞伎町のあのアーケードを潜って行っていた。あの辺りはちょっと脇道に入ると、大人の世界が広がっていた。なんかこういつも蒸し蒸しするような湿気に包まれているような独特の猥雑な空気感…..森山さんのあのザラっとして、尚且つ冬でも梅雨時のようなじっとりとした人間の匂いに満ち満ちたモノクロで表現されたあの感じ。

 結局高3の大学受験に失敗して通い始めた予備校も新宿だった。森山さんが新宿でガンガン撮られていたのは50〜70年代だと思う。私が予備校に通っていたのは80年代だったけど、昨日森山さんの写真を観ていて、なんだかとても懐かしい気持ちになった。

 いつだったか、もう10年以上前だっと思うけど、森山さんご本人のインタビューも交えながら、氏の作品の特集番組を見たことがあった。引伸機なんかは当然Focomatなり海外製の高級機種を使っておられるのだろうなと思っていたら、暗室で引伸作業をされているシーンが映し出され、当時私が自宅暗室でよく使っていたFuji B690と形がそっくり………びっくり。B690より一世代、二世代前のモデルかもしれない。

 そんなこんなで、結局昨日は夕方までドップリと森山さんの展示会場に浸かっていた。(日本人より外国人の観覧者が多かったような気がする)。 森山大道の作品群に完全に魅了されてしまった。

金沢でも森山大道さんの作品を鑑賞

 金沢に戻ると、街中でスナップすることが多い。 新宿のあの裏通りと比べると規模は小さいけど金沢の片町・新天地には通りのライトボックスを使って森山大道の作品が展示されている。特に、真冬の雪の中でのスナップはなかなかオツな雰囲気でいい感じです。

片町・新天地の森山大道作品
片町・新天地の森山大道作品 (2)
片町・新天地の森山大道作品 (3)

Leica Gallery Kyotoへ

 行きはバスで京セラ美術館に向かったが、帰りは自宅まで歩くことにした。途中、青蓮院前から知恩院、円山公園、高台寺前の通りを抜けて八坂の塔を見ながら西へ向かい、花見小路のLeica Gallery Kyotoに寄った。

 今年の1月に、Werner Bischofの息子さん、Marco Bischof氏によるトークショウに参加した;

 この時は来場者も多くて、Werner Bischofのプリントをじっくりと時間を掛けて観ることが出来なかった。Galleryが閉まる午後7時まで時間があったので、昨日はゆっくりと観覧できた。森山大道の作品とは対極にあるような感じ。Occupied Japanではあったけど、太平洋戦争後に平和を取り戻しつつ復興の最中にあった日本の様子をとらえたBischofの作品はとても柔らかい光と影のバランスを感じて心が和むモノクロの世界が広がっていた。

Silk Drying by Werner Bischof

 このLeica Gallery KyotoでのWerner Bischofの作品展示は、KYOTOGRAFIE2026のプログラムではないけれど、それらと合わせて是非観覧されることをお勧めしたい。