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2025年7月19日の記事を書いた時、まだMONOPAN 50は発売前だった。この頃の各種ネット情報からADOX HR-50と似た特性を持ったフィルムだろうということは分かったので、とりあえずHR-50の長巻を購入してテスト撮影をしていた。今まではILFORD Delta 400や100をメインに使ってきていて、それらと比べるとかなりコントラストが強い感じがしていたことから、感覚を掴むためにも特性曲線を作りたいと思った。
フィルムの特性曲線を作成するには、フィルム濃度計があると便利。しかし、これがなかなか高価。私の場合は、幸いにして安く譲って頂くことが出来たので助かった。MONOPAN 50という未知のフィルムを、これまた今まで使ったことがない現像液で現像するにことになったタイミングで、特性曲線を自分で作っていくことにした。
今時、態々モノクロフィルムで写真撮影を楽しむ人は少数派。今までのようにカメラ雑誌などで今購入出来るフィルムの情報が豊富に手に入る時代は終わったと言ってよい。それでも私はこれからもモノクロフィルムで撮ってプリントすることを楽しんで行きたいので、フィルムの特徴を知ることが出来る手段の一つと言える特性曲線は自分で作っていくことにした。
まずは、手始めに自分が一番使い慣れたフィルムであるILFORD 400 Proと比較してMONOPAN 50そしてMONOPAN 50と似た特性と言われるADOX HR50のカーブを作ってみるのことにした。
| Film | 現像液 | 濃度 | 現像温度(℃) | 現像時間(min) |
|---|---|---|---|---|
| MONOPAN 50 | Adox FX39II | (1+9) | 20 | 8 |
| ADOX HR-50 | Adox FX39II | (1+9) | 20 | 8 |
| ILFORD Delta 400 Pro | SPUR Silversalt | (1+20) | 20 | 13 |
FX39II使用時の現像時間は、MONOPAN50、HR-50のテクニカルデータシートにある時間を比べると長め。7月19日の記事中にあるHR-50の撮影結果において、なんとなく暗部の快調がフラットに感じたので、少し長くした方がよいと思った次第。
フィルムの透明部分でゼロリセットしてから濃度測定を実施した。フィルムの濃度は現像条件の時間や温度だけでなく、攪拌の仕方などでも変わってくるので、メーカーが公式に発表している現像曲線や他の方が測定したデータの絶対値を持ってきて、このグラフのデータと比較してもあまり意味がないと思う。同じ現像環境、同じカリブレーション条件で調整されたフィルム濃度計で測定した相対的な横並びデータで見ないいけないと思う。私の場合は、ILFORDのDelta400 Proを長年使用してきているので、このフィルムのデータと相対比較することで、フィルムの特徴を理解しようとしている次第。もっと一般的に分かりやすくということになると、Kodak Tri-XやILFORD HP5をD76で現像した場合のデータをこのグラフに加えればよいのかも…..今後の検討対象としたい。

今回のデータの場合、MONOPAN 50にとっては現像時間は少々長すぎたかも。次回現像時間を変えた場合のデータをとってみたい。
それにしても今まで使ってきているDelta400 Proとはかなり趣が異なるフィルムだ。FX39IIでのこの現像条件の場合、MONOPAN 50はHR-50よりも少し感度がありそうで、相対的に暗部のラティチュードがより豊かになってくれるのでは....と。このあたりのところは、これから他の現像液で試すその結果を見ながらまた考察してみたい。
今回は、MONOPAN 50の推奨現像液の一つであるFX39IIで試したが、別の推奨現像液であるADOX HR-DEVで現像曲線を作った場合どのような差が出るか合わせて次回以降で確認してみる。
その先で更にやってみたいのは、MONOPAN 50を現像する際に、様々な現像液と組み合わせて特性曲線がどう変化するか試してみたい。
….と、色々考えを巡らせているのではあるが、MONOPAN 50を次回いつ入手出来るか分からない。4本は手に入ったが、↑この現像曲線の作成した残りはやっぱり撮影に使いたい。各種現像トライのための分も含めて購入が再びいつ出来るのか、現時点ではサッパリ検討もつかない。まぁ、Leica Camera AGが次のロットを市場に出すのを気長に待つことにする。それまでの間はMONOPAN 50と比較的似た特性をもつHR-50のフィルムを使っていくつか追加の現像トライをやってみてMONOPAN 50の次のロット製品が手に入った時に直ぐに現像曲線を作れるようにしておきたいと思う。
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