やっぱり、金沢には行きたい

京都に引っ越したら、新しく住宅ローンも組み直すし、当分は倹約生活になるなぁと思っている。好きな台湾旅行も控えることになろう.....が、やっぱり、金沢には行きたいのである。
今話題の来週開通予定の北陸新幹線で、現在の自宅がある船橋から金沢に向かうと、片道¥14,300(北陸新幹線指定料金込)くらいで、時間は3時間半くらいかかる。
一方、京都に引っ越した後は、京都駅から乗り換えなしで、サンダーバード号一本で、片道¥6,900(指定料金込)で、時間は2時間15分程度。京都から行った方が、断然近いし、安い。

近江町市場
Camera: Canon EOS1V
Lens: Sigma 50mm F1.4 EX DG HSM
Film: Kodak TMY400
at Ohmicho Ichiba, Kanazawa, JP

なぜそんなに金沢に行きたいかのかといえば、金沢は僕の子供の頃の思い出が、とても一杯詰まっている場所だからだ。両親ともに、金沢の出身。だから、親の帰省にいつもくっ付いて、幼稚園から中学まで、夏休み、冬休み、春休みの殆どは、金沢で過ごしていた。同い年や、1つ2つ違いの従兄弟姉妹も、同じように親の帰省にくっ付いて、大勢金沢に来ていたので、彼らと再会して、朝から夕刻まで、浅野川や卯辰山周辺で遊び回るのが、これがとても楽しかった。

父は、彦三(ひこそ)一丁目の出身。今現在、「彦三緑地」になっている辺りだ。今や金沢の有名観光スポットとなっている主計町のお隣り。
母は、現在の東山一丁目で生まれ育った。僕が子供の頃、地元の人たちはそのあたりを「木町」と呼んでいた記憶がある。多分、金沢では現在一番の目玉観光スポットと言ってよい、東茶屋街から、歩いて3分程度のところに母の実家はあった。
両親の実家は、共に典型的な伝統的日本家屋だった。特に、母の実家は、文字通りうなぎの寝床。間口が狭くて、縦にものすごく長い家だった。今思えば、母の実家は、もしかしたら大正時代か昭和初期に建てられた古い町家をベースにした、看板建築という類だったのかもしれない。今回の京都への引越し先として、京町家を購入したことには、子供の頃のこの長屋みたいな家での思い出が、かなり影響していることは確か。
僕が子供の頃、休みの多くの時間を過ごした周辺は、今や金沢でも一番有名な観光スポットだ。僕が小学、中学生のころは、この辺りは、舗装はされていたけど、継ぎ接ぎだらけの凸凹なアスファルト路面だった。それが、いまは全然違う。道がきれいに整備されて、こぎれいな店が数多く立ち並んでいるのには、行くたびに驚く。
その金沢に、「ああああ、また行きたいなぁ.....」と僕に思わせる本に、出会ってしまった。先週、京都市内の不動産屋さんにて、近々引越し先となる京町家の購入契約を済ませ、四条烏丸交差点近くの大垣書店に立ち寄った。京都に住むにあたり、ローカルな情報を探そうと思ったのに、この本の表紙が目に入ってからは、本来の目的をすっかり忘れて、頭の中は完全に金沢一色になってしまった。

あした、金沢に行く

「あした、金沢に行く」 伊藤まさこ著 ㈱宝島社
この本のコンセプトがなかなかいい。著者の伊藤まさこ氏が、金沢に住んでいる友達4人それぞれと連れ立って、金沢の赴きある場所や素敵なお店を巡る。以前、このブログでも記事を書いたオヨヨ書林さんも登場する。
この本のよいところは、あまり典型的な観光スポットではない場所やお店が沢山出てきて、もう数え切れないくらいに金沢を訪れている僕でも十分に楽しめる本だった。僕にとっては「えっ、こんなお店あったんだ!」の連続連発だ。

でも、特にこの本をパラパラとめくっていて、思わず手がとまって、10分以上じっと眺めてしまったのが、68ページと69ページ。
69ページの浅野川の写真は、きっと大橋から撮られたのであろう。北陸線にのって金沢駅に到着したら、直ぐにバスに乗ってこの橋の袂にあったバス停で降りると、まず目に飛び込んでくるのが、いつもこの風景だった。夏は、川面がギラギラするくらい光っていて、橋の下の方を見ると、ウグイやオイカワが群れをなして泳いでいて、早く従兄弟達と一緒に川に下りて、毛鉤釣りをしたいという衝動に、いつも駆られたものだ。

東茶屋街
Camera: Leica M3
Lens: Voigtlander NOKTON 35mm F1.2 Aspherical II
Film: ILFORD Delta400 Professional
with Voigtlander 35mm View Finder M
at Nishichayagai, Kanazawa, JP

68ページには、僕にとってとても思い出深いお店が紹介されている。母の実家から、どうだろう… 多分2分とかからない距離だ。僕が中学生の頃だったろうか、おじさんと、そして先月101歳という大往生で天国にいってしまった婆ちゃんと、このお店に行った。僕が中学の頃にはあったのだから、少なくとも、30年くらいはそこにあるという老舗。ここは、鳥料理メインだが、僕が子供の時に行った時には、牛タンがメチャクチャに旨かった。普通、焼肉屋さんで出てくる牛タンは、ちょっと硬くて薄くスライスしていないと、かなり食べ難い筈。でも、このお店の牛タンは違った。とても肉厚。でもすごく柔らかくて食べやすかった。あの牛タンは、まだあるのだろうか。

東茶屋街
Camera: Leica M3
Lens: Summilux 50mm F1.4 ver.2
Film: ILFORD Delta400 Pro.
at Higashichayagai, Kanazawa, JP

町家をリノベしたお店も一杯出てくる。最近、金沢をゆっくり散策出来ていなのであるが、僕の知らない店がいっぱいだ。古道具を扱うお店も、その存在を知らなかった。次回の金沢では是非行ってみたい。
伊藤まさこさんは、かなりのお酒好きのようですな。素敵なお酒と肴がいっぱい出てくる。よって、酒好きの男性にとっても、行ってみたいと思うお店が結構出ています。
女性にとって多分嬉しいであろうことは、この本の最後に、金沢でお土産に買ったきた食材をどのようにして家に帰ってから調理すればよいか、紹介されている点。これは、普通の旅行ガイドブックにはないと思う。

夜の金沢城公園
Camera: Canon EOS1V
Lens: Sigma 50mm F1.4 EX DG HSM
Film: ILFORD Delta400 Pro.
at Kanazawa Castle Park

なんにしても、やっぱり金沢には行きたい。京都に越したら、爺ちゃんと婆ちゃんの墓参りに託けて、結構頻繁に行ってしまいそうで.......いかん.....倹約生活をしなきゃいけないのに。