暗室作業の醍醐味(覆い焼きと焼き込み)

 この年末年始は、現像作業に没頭したかったのですが、カミさんが使っているパソコンのハードディスクが一杯となってしまい、パーティションの設定し直し、ソフトの再導入など結構時間が掛かってしまいました。予定していた銀塩カメラでの撮影や現像のための時間は、減りましたが、自宅のお風呂場暗室での現像作業がますます楽しいと思えるようになってきました。

 

自宅のベランダから撮影した雲Camera: Canon EOS7s
Lens: EF24-70mm F2.8L USM
Film: Neopan 400 Presto
Developer for film: Fuji Microfine
Enlarger: Fuji B690
Photographic paper: Fujibro WP KM2 (8×10)
Developer for Photographic paper: Fuji KORECTOL E

 

 この写真では、一枚の写真の中で覆い焼きと焼き込みを行いました。地平線から手前にグッと迫ってくる雲のトーンを出すのに最適な露光時間だと、地平線より下側のビル群は黒潰れしてしまい、画面左上の空は、白トビして雲のトーンがうまく出ませんでした。そこで、地平線より下側には覆い焼きを、画面左上の空の部分は、逆に比較的長く焼き込んで雲のトーンが出るよう
にしてみました。つまり、お風呂場暗室の引伸作業の中で、手作業でレタッチしている感じですね。


 パソコンの画面上で、覆い焼きと焼き込みができるソフトウェアーもあります。銀塩写真の場合、フィルムをスキャンしてJPEGファイルなどにしてから、このようなソフトウェアーを使えば、わざわざ印画紙に昔ながらのウェットプロセスで、現像する必要がなく、パソコン画面上で、覆い焼きや焼き込みできます。しかし、画像の一部分だけを覆い焼きしたり焼き込みを
したりするソフトウェアーは結構よいお値段になっているようです。もっともいまから覆い焼きを焼き込みを試してみたいと思われる方が、一から機材を揃えようと思う場合、ウェットプロセスの暗室機材を全部を揃えるよりも、このソフトウェアーとスキャナーだけ買った方が安上がりかもしれないですね。フィルムスキャナーが付いているプリンターをお持ちの方の場合はこのソフトだけ買えば覆い焼きと焼き込み作業が出来ますしね。


 私の場合も、スキャナーをすでに持っているので、このソフトさえあれば、パソコンの画面上で覆い焼きと焼き込みができるわけですが、私にとっては、お風呂場暗室での手間のかかる作業が、よいストレス解消になっています。普段の仕事では、一日中パソコンの画面を見つめてながら作業していることもありますし、パソコンの画面を見る必要がないお風呂場暗室作業はとても楽しいと思えるのです。
 私にとっては、この写真が、覆い焼きと焼き込みを行った最初の写真になります。覆い焼きや焼き込みを行うと、ストレートに現像した場合と写真の仕上がりが全然違ってくるので、そこに暗室作業の醍醐味を感じます。これからも、必要に応じて色々な写真で、覆い焼きと焼き込みを試してみたいです。