光と闇のはざまに (ヤン・カレン)

 Kyoto Graphieのサポートスタッフとして、今日は展示会場の一つである無名舎に行った。
 典型的な京町家が会場として使われていた。自分が住んでいる京町家と比べると、遥かに大きい。父の金沢の実家の雰囲気と非常に似ている感じ。前半は、二階のスペースで、監視役。基本ずっと座っているだけ。だが、飽きることはなかった。障子を開けた先から入ってくる5月の風が、とても心地よかった。

 夏休み、父の実家の畳の上で寝転がって、簾の先から入ってくる風に当たりながら昼寝したことを思い出したりもした。マッタリとした空間がホントによい。
途中、何かのテレビ番組の撮影なのか、大きなカメラが持ち込まれて、女性レポーターが、展示されている写真を鑑賞している様子が撮影された。

 無名舎に展示されているのは、ヤン・カレン氏の作品。彼は、香港を本拠地として活躍しているアーティスト。4ヶ月間京都に滞在し、その間、京都の職人さん達と交流しながら、光と闇という相反する面からインスパイアされた彼の感性と職人世界の具象との間から生み出された作品群….と、素人ながらにそう思った次第。


 和紙に焼かれた写真の風合いがいい感じ。Portfolio Reviewで通訳をさせて頂きながら拝見した作品の中にも和紙を使った作品があった。
僕が、普段引き伸ばし作業する時に使っているのは、バライタ紙。和紙の場合は、その表面に現像液を表面に塗るのだろうか?いずれにせよ、和紙独特のマット感は、写真表現の一つの手法として、大変興味は惹かれる。でも、僕の場合はその前に、バライタ紙でキチンとした作品作るが出来るようになってから挑戦してみたい。


 ベースに活躍するヴィジュアル・アーティスト、ヤン・カレンが、京都に4ヶ月滞在し、光と闇のように万物に宿る二つの世界と、その反復や連続、循環をテーマに、京都の職人たちとの交流を通して制作した新作を発表する。ヤンは、昨年に京都で展示した「No Coming / No Going)」展でKG+AWARDグランプリを受賞。この作品で示された東洋的な世界観や自然と交感しながら生きる人間への関心が、京都滞在によってどう作品化されるのか、注目される。