EIZOのカラーマネジメントモニターを購入

 カラーマネジメントが出来るモニターが欲しいとここ数年ずっと考えていましたが、カラーマネジメントモニターが比較的高価であることもあって、これまで購入を躊躇してきた。しかし、いくつかの理由もあってEIZOのColorEdge CS2420-Zを購入することを決断した。

購入理由

もっと幅広く写真を楽しみたい

 ここ最近の5年間くらいは、フィルムカメラで撮って引伸機でバライタ紙に焼くという昔ながらのウェットプロセス中心で写真を楽しんできた。しかし、これからは再びデジタルまたはカラーフィルムでの撮影もまた楽しんでみたい。この一年くらい親戚や知り合いあるいは仕事のお客さんに私が撮った写真をプレゼントしたりすると、結構喜ばれている。でも私のようにモノクロが一番好きという人はなかなかいない。カラーで撮ったもので喜んでもらえると、より一層綺麗に撮って、もっと喜ばせてあげたいと、そんな気持ちにもなってくる。そのような楽しい状況が、再び私の気持ちを、カラーに向かわせる一要因ともなってきている。

Adobe Photoshop Lightroom

 これまで、RAW現像はカメラメーカーの編集ソフトを、文字入れなどはPhotoshopElements を使ってきた。今月からAdobe Photoshop Lightroomを利用開始して、澤村徹先生の著作でLightroomの使い方を学ぶ中で、より正確なカラーマネジメントをやってみたいという気持ちになってきた。

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Adobe Photoshop Lightroomを使用開始

フォトコンへの応募

 アサヒカメラの月例に過去10年以上応募を継続している。これからも、体力が続く限り、出来れば100歳まで応募を続けたいと思っている。

 これまではモノクロ中心。現実、私はカラーよりもモノクロへの興味が圧倒的に高く、モノクロフィルムで撮影してバライタ紙に仕上げるというのが一番好きな写真の楽しみ方。昔ながらのバライタ紙に焼いた作品だけでえ応募を継続出来ればよいのであるが、毎月月例に切れ目なく応募を続けるとなると、仕事の都合や週末撮影に費やす時間も必要であったりと、いつもいつも多段階工程のバライタでの作品作りだけで応募を続けるのは非現実的。

 そこで、いまから5年ほど前、型落ちになってきて少し値が下がってきたCanon PIXUS Pro-1を購入して、フィルムで撮って、EPSON GT-X980でスキャンし、PIXUS Pro-1での作品を仕上げるプロセスも並行して始めた。モノクロの場合も、作品によって温黒調とか冷黒調とか色目の調整が必要であるが、カラーマネジメントモニター無しでも、この5年あまりのトライ&エラーで自分なりに各作品向けのプリントレシピを確立したつもり。Photoshop Elementsで明るさやコントラストなどをシンプルに調整し、あとはCanon Print Studio Proで色目を調整し、一般的なLCDモニター(ただしこの5年LCDモニターは変更していない)で観た画像とプリント結果が一発で揃えられるようになってきた(最悪でも2回のプリントで調整しきれる)。’20年のアサヒカメラ6月号の月例では、Ricoh GR1VとILFORD Delta400 Proで撮影してPIXUS Pro-1でプリントした作品が入選した。この入選は、上記ワークフローによるこの5年あまりの修練の結果としての一つの成果だと勝手に思っている(笑)。

 かつてはカラー作品も沢山アサヒカメラの月例に応募していた。それをモノクロ一本に絞った理由の一つが、カラーの場合、パソコンの液晶画面に表示される作品とインクジェットプリンターでプリントした結果の色合いに差が生じることが多く、満足できる色を出すためにパソコンで色相や彩度などを調整して何回もプリントをやり直すことが多々あった。1枚の作品を仕上げるのに、時にはA4サイズのプリント用紙で20枚以上繰り返し調整したこともあった。当然用紙代が馬鹿にならず、週末の貴重な時間も浪費するし、モノクロへの強い関心が増すばかりという状況も相まって、気持ちがどんどんカラープリントでの作品作りから離れていってしまった。

顔料インクが高価

 正直、Canon PIXUS Pro-1を購入した後、ちょっと後悔した。なにせインク代が高いのだ。前述の通り、モノクロの作品の場合は、モニターで明るさやコントラストなど調整して、PIXUS Pro-1での1回か最悪2回のプリントで満足のいく結果を出せるようなプリントレシピを自分なりに確立できた。カラーの場合は、過去に無駄にインクを浪費していた悪夢が蘇るばかり。よって、再びカラーでの作品作りをやり直す場合は、過去経験した色調整のためのプリント用紙の無駄遣いを避けるため、かつ高価なインクの使用量を減らすため、プリント前の写真編集で調整したモニター上の写真の色合いとPixus Pro-1でプリントした後の紙面上の色合いがぴったり合うようなカラーマネジメントの環境を整えたいという気持ちが非常に強かった。

多重露光

 今までモノクロフィルムで撮影してバライタ紙に焼くというプロセスが一番好きだったのであるが、この状況を変えるきっかけとなったのが多重露光による作品作りへの興味。トリガーとなったのは、僕が普段デジタルでの撮影を楽しんでいるCanon EOS6Dに、手軽に多重露光を楽しめる機能が付いていることにあった。もう一つは、アサヒカメラの月例に応募されている皆さんの多重露光による作品の素晴らしさにあった。とりわけ、2018、2019年のアサヒカメラの月例のうち、モノクロ部門でよく入選され、2019年にモノクロ部門で年度賞3位に輝いた有馬哲史さんの一連の多重露光による作品の数々に完全に魅了された。全く違う場所で撮られた像を重ねたり、どうしてこういう発想が生まれるのかとすごく斬新な像の重ね合わせで驚愕の作品を作らていたり、世代がことなるご家族の写真を重ねたり……その作品世界の面白さ、楽しさ、素晴らしさを拝見して私も多重露光に挑戦したいという気持ちが強くなった。

 多重露光について色々調べているうち、山本穂高さんのカラー作品に出合った。大阪のアヴィーギャラリーで毎年開催されているロモグラフィーによる作品展示で、山本さんのことを知り、丁度名古屋に出張したタイミングで山本さんのカラーフィルムによる多重露光の作品が、改修前の名古屋テレビ塔の展示スペースで披露されていて、その世界に魅了された。大阪で開催された山本穂高さんの多重露光のワークショップにも参加したりした。

 そして今現在、私の気持ちの中では、これまでのモノクロフィルムで撮ってバライタ紙に焼くという楽しみ方に加えて、デジタルでもフィルムでも、そしてモノクロでもカラーでも多重露光で撮った作品をモノクロやカラーで美しくプリントしたいという欲求がものすごく大きくなってきている。

デジタル一眼の買い替え

 これまで使ってきているEOS6Dが結構老朽化してきている。USBのコネクター接続部は何度も繰り返し使ってきて、接続不良によりUSBを介しての画像の転送が出来なくなった。大量の画像を一度にパソコンやNASのハードディスクに移す時には、SDカードをカメラ本体から取り出してパソコンのSDスロットに入れなくてはいけない。かなりの撮影枚数に達してきているので、ボタン類も新品購入時と比べると、ガタが出てきていることもあり、いつ故障してもおかしくない状況になってきている。

 そこで、今年発売されるであろう、EOSR5、R6またはEOS5D Mark Vへの買い替えを検討中。せっかく買い替えるのであれば、モノクロだけでなくカラーも今まで以上に楽しみたい。そしてフィルムカメラの時代から続くEOS伝統の多重露光の機能もタップリ活用してそれらのプリントも大いに楽しみたい。

なぜ購入しなかった?

 8年くらい前に、比較的廉価なカラーマネジメント用のキャリブレーターを購入して液晶モニターの画面上の色合いとインクジェットプリンターによるプリントの結果を揃えるトライをやったことがあったが、満足のいく結果が得られなかった。このことが、長く本格的なカラーマネジメントモニターの購入を躊躇し続けた大きな理由となっている。

なぜ今購入する?

 先日ヨドカメのパソコン売り場で、EIZOのパンフレットを目にした。その中で、QUICK COLOR MATCHという機能が紹介されていた。8年前にカラーマネジメントをちょびっとトライしたときにはなかったソフトウェア。どうせ、EPSONやCanonの最新の高性能プリンターじゃないと対応していないんだろうと思って調べてみたら、意外や意外。幸い、私の手持ちのプリンターであるPIXUS Pro-1は、最新機種ではないけれど、このソフトウェアの対象機種の一つになっていた。前述の購入理由は元々あったものだが、最終的にはQUICK COLOR MATCHの存在を知ったことが、今すぐに購入したいという決め手となった。2021年のアサヒカメラの月例の最初の応募は、10月5日前後が〆切の筈。それまでに、最低限のカラーマネジメントをやれるようにして、あとはこの先何年も続ける作品作りの中で鍛錬していきたい。

モニターの機種選定

カラーマネジメントモニターの選定では以下の3種を検討した。

EIZO ColorEdge CS2740

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 ColorEdgeのCSシリーズはスタンダードモデルのシリーズ。正直、これが一番欲しかった。でも、残念ながら設置場所のスペースの都合上、27インチのモニターは検討の対象外とせざるをえないのである。

EIZO ColorEdge CG2420-Z

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 ColorEdgeのCGシリーズはプロ向け。モニターのサイズが24.1インチで製品の全高からうちの設置スペースに合う。キャリブレーションセンサーが内蔵されていて便利そう。だけど、値段が少々お高い。

EIZO ColorEdge CS2420-Z

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 CG2420-Zと同じく24.1インチなのでうちの設置スペースに置ける。大きな違いは、キャリブレーションセンサーを内蔵しているか否か。センサー内蔵ではないが、それでも色域(カバー率)はAdobeRGB(99%)だから、アマチュアの私が初めて購入するカラーマネジメントモニターとしては、十分すぎる性能だろう。別売りのキャリブレーションセンサー:EX4を合わせた価格で比較しても、CG2420-Zよりもお得。


結論

 初めて購入するカラーマネジメントモニターなので、BenQ、DELL、ASUSなども検討した。正直値段の安さではこれらの方がEIZOよりもメリットがある。しかし、またモニター画面とプリント結果の色合いが異なるような結果になるのではと思うと、手持ちの旧機種のプリンターにも対応しているQUICK COLOR MATCHを擁するEIZOの製品が一番魅力的にうつる。

 私の生誕地が石川県で、子供の頃の夏休みと冬休みを、いつも白山連邦が見える場所で過ごしていたこともあり、石川県のメーカーであるEIZOを応援したい気持ちもある。

 よって、今回はCS2420-ZとキャリブレーションセンサーEX4を合わせて購入することにした。

オプションはどうする?

 EIZOの直販サイトには、ColorEdge2420-Zのお得なセットメニューが用意されている;


 自分の使用環境や予算に合わせてどういうオプションとセットで購入するべきか検討したいところ。

遮光フード

 私の場合は、遮光フードの購入は見送った。設置する場所がちょうどCS2420-Zがすっぽり収まる窪んだ構造に設置できるので上側は丁度ひさしを付けたようなかたちになる。両側は空間があるので、フローリングを自分で貼った時の廃板材を利用して遮光板2枚作ってCS2420-Zの両側に付けよう(表面は艶消しの黒い塗料で塗ろう)とも思ったのであるが……。

 実際私の場合は、遮光板はいらないかもしれない。というのも、私がCS2420-Zを設置しようしている部屋は、フィルム現像とバライタ紙への焼き込みを行う暗室なのだ。暗室だから太陽光など外から光が入ってくることを防げる。よって、写真の編集とPIXUS Pro-1でのプリント作業を暗室で行う際には、後述のLEDスタンドの灯りだけ。よって遮光板の存在は無意味(?)。

LEDスタンド

 EIZOのカラーマネジメントハンドブック中、フォトグラファーやPhotoshopによるレタッチチャー向けに、

  • 5000Kの光源
  • 平均演色評価数宇(Ra)が90以上

 が、望ましいとする旨の解説があった。

 ネットでざっと調べてみた感じだと、山田照明の製品がこれに相当するものを扱っていた。

 今回は、Z-80PROⅡを購入することにした。EIZOの直販サイトにあるZ-208PRO-5000Kは、値段が高い: 26,400(税込)。EIZOの直販サイトにお得なセット販売のメニューが用意されてはいるが、CS2420-ZとキャリブレーションセンサーEX4及びLEDライトとを合わせたお得なセットメニュー(遮光フードなし)は存在しない。

 それに対して、Z-80PROⅡはヨドカメや楽天のサイトで18,000円台で購入可能。うちの場合、ヨドカメと楽天のポイントがかなり溜まっていることも考慮して、これらのうちどちらかで購入することにした。

その他気になる製品

 とりあえず、EIZOの純正のモニタースタンドを使ってみるが、今後ガススプリング式のモニターアームの導入も検討したい。ColorEdge C2420-Zを導入する暗室は、仕事部屋やDIYの作業部屋としても使っていて、何かと多目的に利用している。よって、今後モニターを据え置きタイプのスタンドに設置すると何かと不都合が生じる可能性はある。実際に使ってみて不便を感じたらその時点で購入の検討に入りたい。