帰ってきたCarl Zeiss C150mm f4.0

 今年の2月にオルレアカメラさんを訪れた時に購入したCarl Zeiss C150mm f4.0。Cシリーズで、しかもT*のマークが入っていない一番初期の頃のレンズは、製造されてから数10年経っており、レンズを観察すると、どの中古カメラ店のものでも、大抵小さな傷が入っていたり、カビの跡があったりと、あまり状態がよいものがない。レンズシャッター式のレンズで、既に購入したDistagon C60mm T*やPlanar C80mm T*を購入した時もそうだったが、大抵シャッタースピードが合っていない(特に1/2秒や1秒などシャッタースピードが遅い側)ことが多い。

 案の定、オルレアカメラさんで見つけたこのレンズも、低速側のシャッタースピードが合っていなかった。この半年は、それを分かっていて、高速側だけ使って撮影を楽しんで、スローで撮りたいときはバルブ撮影にしていた。が.....やっぱりきちんと整備をしておきたい。内側のレンズに少し大きめの塵が4つ、5つ付着していたのも気になっていた。

 いつもなら、ハッセルブラッドの修理マイスターの岡本カメラさんにオーバーホールを依頼するのだけど、今回は別のところに修理をお願いした。以前参加した写真展で知り合ったメンテのプロ。その人のことを以前からお世話になっているプロの写真家の方に話したら

 「素晴らしい修理人です。いろんな人から頼られていますが、宣伝したりせず知り合い繋がりだけで活動されています。現代の若き名人と言えます」

 とのお返事。プロの写真家の方々からそんなに信頼されているならと思い、このSonnarの修理をお願いすることにした。メールでやりとりしてレンズを送付。修理代金を振り込んで、昨日返送されてきたのであるが、修理後の状態を確認してビックリした。まるで新品同様。後玉側のエッジ部(写りには影響しない部位だけど.....)に、結構キツイ曇りのようなものも見えたのであるが、完全にキレイになっていた。

左: Carl Zeiss Sonnar C150mm f4.0
右: Hasselblad 503CX + Carl Zeiss Planar C80mm f2.8 T*

 低速側の不具合はスローガバナーに問題があるのではと思っていたが、完璧に新品と同様の状態に。でも、こいうメカニカルな問題は、よほど致命的な故障でなければ、腕の立つ修理のプロに頼めば大抵は元通りになる。しかし、レンズの傷など恒久的トラブルはどうにもならない。

 オルレアカメラさんで購入した時、この時代のレンズとしては奇跡的に傷がないと言っておられたが、その通りである。納得のいく品でないといけないということで、ご主人が自ら探し回って遠方の前のオーナーさんから買い上げたと仰っておられたが、かなりの目利きとみました(YASHICA ELECTRO 35も、すごく綺麗な品が入荷したばかりで思わず手が出そうになった)。

 オルレアカメラさんと、展示会で出会った若き名工に感謝しきり。Leica M3用に購入したSummilux50mm, 35mm (いずれも球面ズミルックス)も、何か問題が発生したらこの方にまた修理をお願いしようと思う。

 いずれにせよ、気分がとってもいい。この週末早速Sonnar C150mm f4.0とHasselblad 503CXをもって撮影に出掛けようと思う。