京都に引っ越してきて、嬉しいことの一つが和菓子。両親が金沢の主計町、東山で生まれ育ったので、子供の頃に祖父母に会いに行くと、そこにはいつも金沢の伝統的な和菓子が色々あったので、それを子供の頃からよく食べていた私にとって、四季折々の風情を感じる和菓子の味には心躍るものがある。京都にも町中に非常にバラエティに富んだ伝統的な和菓子を選ぶことが出来るが、一方でそういった老舗が意欲的に新たに作った新しい和菓子を頂くのもまた楽しい。
今日は、春がすごそこまで来ているこの時期らしい京都の春の味を2品ご紹介したい。
出町ふたばといえば、豆餅があまりにも有名。よそさんの私も、京都に引っ越して来てからこの出町ふたばの銘菓の虜になってしまった。体力づくりも兼ねて、週末に松原橋の袂から鴨川沿いに出て、出町柳駅のあたりまでウォーキングを楽しむことが結構ある。大抵、人が少ない早朝に出かけて北に上がっていく。出町柳に着く頃、丁度開店時間くらいになる。超人気店の出町ふたばさんの店先に到着するのが10時、11時だともうすでに長蛇の列になっていることがほとんど。でも、開店直前か直後くらいであれば、そう長い時間列に並ばなくてはならないということはまずない。
今時期に、頂くことが出来る出町ふたばさんの春の味として今回選んだのは、桜もち。塩が少しばかり強めに効いている2枚の桜の葉に覆われた桜もちはとても瑞々しく、同時に桜の葉の香りが良い。もち生地は道明寺粉から出来ていて、桜餅でよく見るピンク色ではなく道明寺粉の白い生地の色そのもの。中にこし餡。桜の葉の強めの塩気を相まって甘さが引き立つ感じ。

シンプルな見た目だけど程よいもっちり感と塩気、桜の葉の香りのバランスがよいと思った。また来年の春も頂きたい(もちろん豆餅も)。


桜の開花予想がテレビのニュースで報じられるようななってくる今頃の季節になると、先ほどの出町ふたばさんの桜の葉で覆われていたり、金沢は中田屋さんのさくらキンツバのように桜の花びらの塩漬けが添えられていたりと、やはり「サクラ」を感じることが出来る和菓子が色々な和菓子屋さんで目にすることが出来る。

そんな中、桜を使わない今まで見たことがない和菓子を家内が見つけてきてくれた。それが、俵屋吉富さんの「苺ミルクティ三笠」見た感じは、三笠ということで普通のどら焼きと変わらない。でも、実際に食べてみると中に入っている白餡が今ままで食べたことがない味わい。白小豆のこし餡に練り込んだと思われるミルクティの風味がまろやかでホッコリする感じの甘さと風味にしているように感じる。そしてさらに白餡の中には、ドライフルーツとしての苺が入っていた。ドライフルーツにしたことによるためか、苺の酸味はほぼ全く感じずミルクティの風味とのバランスがとてもよくなっている。なんともいえないホンワカした感じがする春らしいやわらかさのある甘み。

俵屋吉富さんといえば、今NHKで放送中の「京都人の密かな愉しみ」に出てくる老舗和菓子屋「久楽屋晴信」のロケ地になっている。宝暦5年(1755年)の老舗がこのお菓子を作っているというのがとても面白い。こういう驚きのある新しい意欲的な和菓子なら大歓迎。こいう意外性のある和菓子を京都で色々探してみるのも楽しいかも。

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