大震災の爪痕、今も(千葉県船橋市)

 ちょっとショックだった。東日本大震災が発生してから半年以上たっている。その時点で、自分が住んでいるすぐ近くに今も震災の爪痕が残っていることを知った。
 船橋市から決して遠くはない浦安市で、東日本大震災発生時の液状化現象などにより自宅が大きく被害をうけたという皆さんが非常に多いことはTVなどでよく報道されていた。船橋も沿岸部で同じ状態にある地域が存在することは知っていた。
 むやみやたらと、野次馬のように被災地に足を運び、撮影するような行為は、報道機関や被災地の撮影の許可を受けているプロの写真家の方々ではない、私のような素人写真愛好家は、するべきではないとずっと思っていた。

 

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Camera: Canon EOS7s
Lens: Sigma 50mm F1.4 EX DG HSM
Filter for Lens: Marumi MC-Y2
Film: Fuji NEOPAN 100 ACROS

 

 この写真は、週末いつものようにお散歩スナップするつもりで、家の近所を散歩している時に偶然発見したものだ。もうあの大震災が発生してから半年も経っているし、東北の被災地のみなさんがお住まいの地域では復興はまだまだこれからという地域が非常に多いことも分かっているつもりであったが、自分の自宅から歩いていけるすぐ近くに、まさか今もその爪痕が、はっきりと確認できる場所があるとは想像すらしていなかった。


 それだけに、この場面に遭遇したときには、言葉がでなかった。言葉は出なかったけど、無心のまま、真っ白な気持ちのまま、カメラを構えてシャッターを切っていた。


 撮影したのは9月。撮影後、現像はすぐに行った。個人でやっているこのブログではあるが、この写真を掲載するべきかどうかも凄く凄く悩んだ。
 賛否両論色々あると思いますが、結論として、僕自身の結論として、掲載することにした。自分が住んでいる街で、しかも自分が住んでいる家のすぐそば。”記録”として”記憶”として、この写真は残しておきたいと考えました。東北地方各地、茨城県、千葉県の各地域で今もあの大震災の影響を受けている皆さまを応援する意味も込めて、この写真は掲載しておきたいと思いました。


 同時に思ったのは、東北から遠く離れた船橋にさえ、これだけ大きな爪跡(僕の主観ですが)が、今もそこにあるのですから、東北地方各地で甚大なる被害を受けた皆さまの深い悲しみとご苦労は想像の域をはるかに超えています。正直、今まで僕はあの震災以降、何度か募金したくらいしかしていません。何かもっとできることがあるはず。もう一度、私なりの被災地の皆さんへのサポート方法を考えてみたいと思います。