お気に入りの台湾茶と茶器

切欠は横浜中華街

  西暦2000年に入ったころだったろうか。当時千葉県の船橋に住んでいて、ドライブがてら湾岸高速経由で家内と一緒に横浜中華街に行っていた。聘珍楼で広東料理を頂いた後に出てきたお茶を飲んだら、今まで出会ったことがない味。日本茶もとても好きなんだが、日本茶では味わったことがない独特な豊潤な香り。お店の人から、そのお茶が凍頂烏龍茶だと聞かされた。私等の世代は、烏龍茶といえばサントリーのあの茶色の烏龍茶。凍頂烏龍茶は、透明感のある黄緑色。あまりの美味しさに私も家内も一瞬で気に入ってしまった。

原宿の遊茶

 その後、中国茶に関する本を読んで、凍頂烏龍茶が半発酵茶であることを知る。そして、中国と台湾には本当に沢山の種類の多彩なお茶の数々が存在することを知った。家内は主に蓋碗に、私は工夫茶の茶壺のデザインの多彩さに魅了されていった。そして、まずは最低限の茶器のセットを買おうということで、船橋から行ける所で初心者でも受けれてもらえそうなというお店を探した結果、遊茶さんに行くことにした。

横濱中華街の悟空茶荘

 結局、船橋に住んでいた当時、台湾茶・中国茶関連で一番頻繁に行っていたのは悟空茶荘だった。茶器の数も、茶葉の種類も兎に角豊富。2階の茶荘で工夫茶や食事を楽しんでから1階で楽しんだ茶葉を購入することもしばしば。京都に引っ越してからは一度も行っていないけど、今もずっと営業されていてこちらも嬉しい限り。

台湾通い始まる

 2000年前後からは、仕事の都合でもプライベートでも中国、台湾に行く機会が増えてきた。そして当時の上海の同僚から、中国人にとっても台湾のいくつかの種類の烏龍茶が非常に珍重されていることを教えてもらう。そして家内と一緒に初めて台湾に行った時から、もう台湾茶と台湾のお茶文化の虜になってしまった。その時からコロナ前までは毎年2,3回は台湾に行って夜市やグルメを楽しむながら毎回何かしらの茶器を購入して自宅に持って帰っていた。今では、20年以上かけてちょっとずつ買い揃えた蓋碗や茶壺、茶杯などが一杯。それら専用にIKEAのキャビネットを改造して収納していある。

2014年に風清風で購入した茶杯
2014年に鶯歌の風清堂で購入した茶杯

王瑞珍茶業有限公司

 もう20年近く前だけど、台北の廸化街からちょっと外れた通りにあるお茶屋さんに行ってみた。ご夫婦お二人でされているお茶屋さん。私ら夫婦がこのお店のことを気に入ってしまったのは、台湾茶の実情をよく知らなかった我々観光客に対しても、その年の台湾各地の茶葉の産地の作柄を懇切丁寧に説明してくれた上で、今飲んで一番美味しい茶葉をキッチリと勧めてくれるから。こちらのお店に行きつくまで、本当に色々な茶葉販売のお店を巡ったが、日本人と見るや金宣茶や凍頂烏龍茶ばかりを勧めてくることが多くて、他の高山茶はただ高いというイメージしかなかったけど、王瑞珍茶業有限公司は全く違う。以来20年間、私らが台北に行くと、ホテルに荷物を置いて、先ず真っ先にこちらに向かうことが殆ど。茶葉の話から最近の台北の状況などを、その時々のお勧めのお茶を試飲しながら聞かせてもらって、お茶買って「また次回も来ますね」とそんな感じ。

玉山高山烏龍茶

 というわけで、先月台北に行った時に、王瑞珍茶業有限公司さんで購入したお茶は、玉山高山烏龍茶。今まで飲んだことがない台湾のお茶。

王瑞珍茶業有限公司の玉山高山烏龍茶
王瑞珍茶業有限公司の玉山高山烏龍茶

 今も飲んでいるのだけど、まろやかな角がない感じでほんのりと柔らかい甘さを感じる。工夫茶で飲むと何度も湯を沸かして何煎でもいけそうな感じ。深まる秋。今からの季節にも丁度いい感じである。そしてまた台湾に行きたくなってしまう。

王瑞珍茶業有限公司の玉山烏龍茶を工夫茶で
玉山高山烏龍茶を工夫茶で
王瑞珍茶業有限公司の玉山烏龍茶を工夫茶で(2)
玉山烏龍茶を工夫茶で(2)