百蔵山からの富士

 今年の課題としている関東周辺の低山と渓谷の写真を撮るという第一回目の撮影を行いました。
 昨年の年末に、自宅内で小指を骨折するという不運に見舞われたが、1月末になりスッカリ痛みも治まり、山へ登れるようになったので、2月1日にフィルム一眼レフと機材を担いでの登山を初体験。正直かなり足にきた。行きもきつかったが、下りもまたかなり足に負担がかかって、翌日、翌々日にものすごい筋肉痛になったことは言うまでもないです。
 登ったのは、山梨県の百蔵山(モモクラサン)。とても天気が良い日でした。重い撮影機材を背負っていたので、頂上まで辿りつくまで時間が掛り、着いたのは1時頃。山頂到着直前、一足先に下山してきた皆さんが、
 「富士山が素晴らしいですよ。いい写真撮ってくださいね」
 と声をかけてくれて、期待はより一層高まったのですが……。
 たしかに、絶景というべき素晴らし富士山の眺めでした。しかしながら、撮影には非常に厳しい条件。完全に真逆光状態で富士山も、春のような暖かさに霞んで見えるような感じで、コントラストを極めて出し難い条件。特にデジイチには厳しかったようです。実際、山頂にニコンのデジイチで撮影している方が数名いらした。バックモニターを見せてもらうと、なんとなくモヤった感じ。これはニコンのカメラの性能云々ではなく、デジタル共通の特徴で、相当に厳しい条件ということだ。

百蔵山
Camera: EOS7s
Lens: EF70-300mm f4.5-5.6 DO IS USM
Film: FUJICHROME VELVIA 100F Professional
185mm, f11, 1/180sec, ISO100
Velbon Neo Carmagne 643Q & Velbon QHD-62Q
Kenko PRO1 DIGITAL WIDE BAND C-PL(W)


 一方私はフィルム一眼のEOS7sで撮影。
 一昨日リバーサルフィルムの現像が仕上がってきて、スキャンした後のこの画像を見て驚いた。DOレンズは逆光に敏感だといわれている。今回の撮影では、確認してみると、純正のフードを装着してもレンズの一部に、太陽の光が直接当たっていた。
 DOレンズの純正フードは深目なので、直接レンズに太陽光が当たることは少ないのですが、それだけ厳しい条件だったということでしょう。持参してきたA3サイズの厚紙板でしっかりハレギリして逆光の影響を少しでも減らすようにしてみた。
 それでも、もしEOS40Dを使っていたら、ここまでの画像が得られたかどうかは疑問だ。今回は、EOS40Dをクリーニング&点検に出している最中だったので比較はできなかったので、こういう場合どのような差が出てくるか、次回以降比較してみたい。
 また、逆光ではあったもののPLフィルターを装着した。PLフィルターは逆光では全然効果がないとされているが、今回の場合は、PLフィルターを回転させると、画面全体のコントラストには変化がないものの、斜めに裾野を広げる富士山の雪面のコントラストが若干ではあるが変化するのが見てとれたので使わないよりかは多少効果があると判断した。
 霞掛った富士山の撮影を早々に諦めたデジイチユーザーさん等が下山した後も、私は諦めずにじっくりと設定を考えながら撮影を続けた。フィルムだと、その場ではデジイチのように画像を確認できないが、自分なりに少しでもコントラストが出るであろうと思うことは全部やったつもり。
 しかし、なによりも大きいのは、やはりフィルムの性能ではないだろうか。FUJICHROME VELVIAを今回初めて使用した。今後も継続して、EOS40Dで撮った写真などと合わせて、ベルビアで撮った写真も掲載していく予定ですが今回撮った他の写真の中にも、ベルビアのコントラストと色彩のバランスの素晴らしさを感じることができるものがいくつかあります。
 今後も、状況に応じてフィルム一眼とデジイチを使い分けることができるよう、さらに鍛練していきたいと思います。