父、逝く….写真再び(Leica M3)

親父が、逝った。約1年強の闘病生活。仕事があるので、平日は母と妹が病院に行って看病。僕は週末のみの看病だったが、それでも約一年。大学卒業以来、父に会うのは年に、2回のみ。こんなに頻繁に父に会うという状態は、最近全くなかった。病床の父と、結構色々喋った。貴重な時間だったように思える。最後の方は痴呆症の症状も出て、一週間前どころか、前の日に母が話したことを繰り返して言っても分からなくなっていた。それでも、僕がくると父は喜んでいたし、僕も嬉しかった。
葬式も終わり、四十九日の法要のことを母と話している。それでも、父が亡くなったという実感が、まだ全く湧かない。通夜の席でも告別式でも、涙は全く出なかった。薄情な息子なのだろうか。僕の今の感覚としては、実家に電話したら、また親父が電話口に出てくるという気持ちだ。だが、やはり父がもう天国にいったのだという実感が、少しづつ出てきている。出張に向かう新幹線の中で、ふと子供の頃一緒に新幹線に乗って父の実家に向かったことなどを思い出すと、目頭が熱くなってきて.....。
また、普段通りの生活に戻りつつある。気持ちに少しずつ余裕が戻ってきている。写真欲がまた増してきている。フィルムで、また沢山撮りたい、現像したい、デジカメでも撮りたい。もう父が見ることができない分まで、この世の中で僕が見たものを、たくさん、たくさん撮りたい.....いまだんだんそんな気持ちになってきている。

Leica M3 (京都 阿蘭陀館)
Camera: Leica M3
Lens: Summilux 50mm F1.4 2nd Generation
Film: ILFORD Delta 400 Professional