印画紙(バライタ紙)のフラットニングの問題、やっと解決。(2)

 自宅で、FujiB690, Focomat1C, Valoy IIのうちどれかを使ってバライタ紙に焼くことを楽しみにしている僕にとって悩みの種だったフラットニング作業。ドライマウントプレスは非常に高価なんで、以前レポートした以下の記事に書いてあるフラットニング作業前のバライタ紙の前準備と、安価なズボンプレッサーを使ったフラットニングで対処出来るようになったのですが…..。

フラットニング前の準備
印画紙(バライタ紙)のフラットニングの問題、やっと解決。


 実をいうと、水洗後カリカリに乾燥させた後に端のほうが細かく波打っているようなバライタ紙の場合は、上記の記事のやり方でやっても、ズボンプレッサーでのフラットニングの後にまだ少し、端にビビリが残ってしまうケースが時々ありました。昨年の写真展参加の際は、ビビリがとれ切れなかったので、自宅近くのギャラリーメインさんのドライマウントプレスを借りに行きました。
来月、再び写真展に参加することもあって、もっとしっかり自宅でフラットニングできないか試行錯誤した結果、従来の前準備を行った上で、ズボンプレッサーによるプレス時に、さらにちょっとした工夫を加えることで、より一層フラットに仕上がることが判明。やり方は難しくないです。


 ダイソーに行って、フェルト生地、EVAシート、画用紙を購入。あとは、以前からバライタ紙の洗浄作業時に使っていた厚さ2mmのアクリル板の残りをバライタ紙よりもちょっと大きめのサイズにカット。アクリル板は東急ハンズやホームセンターなどで購入可能。

あとは以下の手順;

1.ズボンプレッサーを開ける。
2.EVAシートを敷く。
3.その上にフェルト生地をおく。
4.さらにその上に画用紙を1枚のせる。
5.さらにその上に前準備により湿気を適度に吸ってしっとり感のあるバライタ紙をおく。
6.さらにその上に、画用紙を2枚のせる。
7.さらにその上に、フェルト生地をのせる。
8.さらにその上にアクリル板をのせる。
9.ズボンプレッサーを閉めて、加熱スイッチを入れる。


↓ はい、これが出来上がりです。

バライタ紙のフラットニング(2)

 ズボンプレッサーのメーカーによって画用紙の枚数なんかは調整が必要かも。


 ポイントは、赤い字にした画用紙2枚とアクリル板でした。

 今まで、バライタ紙を挟む画用紙は上下1枚ずつだったのですが、今回から上側の画用紙を2枚に変更。これで前準備で湿気を多目に吸ってしまったバライタ紙でも、加熱中に湿気を吸いとり切ることが出来るようになったようです。
アクリル板がなくても、バライタ紙はきれいにフラットに仕上がりました。でも、アクリル板がない状態でこれまでフラットニングしていたので、画用紙がバライタ紙から出てくる湿気で波打ってしまって、再利用が出来ず、フラットニングする度に新しい画用紙を入れ直す必要があり、かなり画用紙が無駄になってしまうので、フラットニング作業をやるバライタ紙を厳選して、まだフラットニングしていないバライタ紙のストックが実はまだかなりあります。上からアクリル板で押さえつけることで、画用紙が湿気で波打つことがなくなり、また次のフラットニング作業で再利用が出来て無駄が出ないように改善出来ました。僕にとってはこれは大いなる大発見!!(アホや)

 最初アクリル板を一番上側だけではなく、バライタ紙の下側のEVAシートとフェルト生地の間にも入れてみたのですが、こうすると両側ともアクリル板で挟まれて、事前準備でバライタ紙に吸わせた湿気が比較的多すぎる場合は、湿気がズボンプレッサー内から放出されないみたいで、ズボンプレッサーを開けた後で再びバライタ紙がカーリングし始めるケースがありました。それにアクリル板を合計2枚入れると、ズボンプレッサーを閉める時に厚さがありすぎて、閉めにくいし、蝶番が痛む気がしたので、アクリル板は一番上側に一枚だけ入れるようにしました。

 画用紙は一回の作業で2枚1組で2組以上必要。フラットニング作業を終えた画用紙は、上記のやり方で波打つことはなくなりましたが、バライタ紙から吸いとった湿気を多めに含んでいる場合があるので、フラットニング作業を一回終了した直後にすぐにまたフラットニングに使うと、シナシナになって2回目以降の作業でバライタ紙の水分を吸いきれないことがあります。そこで、画用紙を2組以上用意して、次のフラットニング作業では別の1組を使って、前のフラットニング作業で使った1組は、風通しのよいところに置いて乾燥させ、順繰りに入れ替えながらフラットニング作業すれば問題出なかったです。

 以上こんな手順で、大きくフラットニング作業が改善しました。

 これでもまだカーリングがちょっと残ることがあります。この場合は、

*睡眠中に布団の下側で寝押しする、
*本の間に挟んで、本棚の中での圧力利用して1〜7日間静置
*裏側からカバー板をしっかりボルトなどで抑え付けられる額の中に入れて静置

 などなど、身の回りのもので上手く工夫して使ってさらにプレスして静置するなどすると完全にフラットになります。


 自家現像しているが印画紙はRCしか使っていないとか、バライタ紙で自宅で焼いてみたいけど、ハードル高そうという皆様に少しでもご参考になれば幸いです。

お知らせ

 Solarisさんが、私が経験したズボンプレッサーによるフラットニングの試行錯誤の結果をもとにまとめ記事を作って下さいました。これからバライタ紙に焼いてみたいという皆さん、バライタ紙のフラットニングで実際にお困りの皆様と情報共有させて頂ければ幸いです↓

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