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誰でも気楽にバライタ紙にプリントを
バライタ紙のフラットニングにお困りの方やフィルムカメラで撮ってみてバライタ紙に焼いてみたいという方々のご参考になれば幸いです。
より低コストなフラットニングのために
ソラリスさんに、私がこれまでトライ&エラーを繰り返して一応完成形となったズボンプレッサーを使用したフラットニングのまとめ記事を作って頂いた。
モノクロフィルムで撮るようになったら、フィルムスキャンでネットに上げたり、ラボに頼んで現像してみたりするだけでは飽き足らず、今度は自分で焼いてみたくなる筈。まずはRCペーパーで、そしてついにはバライタ紙で焼いてみたくなる人だっていると思う。
バライタ紙に焼く場合、最後の最後に難関がある。フラットニングの作業だ。ドライマウントプレスがあれば、そんなに苦労はない。暗室のあるラボで有償で借りて使ってももちろんOK。
でも、私のように自宅でバライタ紙のフラットニングを出来たらと思う人がいたら、ドライマウントプレスを自己調達するのはちょっと大変。なにせ非常に高価。ヤフオクなどで出品されるケースあるが、高いものだと20万円以上。安くても5万円前後はする。そしてドライマウントプレスはデカくて非常に重い。狭い家では、使わない時は収納したいという場合結構大変。もし私が買ったら家内から大ヒンシュクをかうこと間違いない。(引伸機が3台もあるので尚更…….)
安価なズボンプレッサーの活用
そこで、自宅に10年以上前からある1万円ちょっとで購入したズボンプレッサーでなんとか完璧なるフラットニングが出来ないかと試行錯誤した結果をソラリスの橋本さんが記事にまとめてくれた次第。ズボンプレッサーは文字通り普段は仕事用のスーツのパンツをプレスするのに平日大活躍。そして週末はバライタ紙のフラットニングと私のために副業をこなしてハヤ10年。今も両方の仕事に問題なく対処してくれている働き者です。
以前と比べると、バライタの印画紙は高くなりました。フィルムで撮っている総人口が10年以上前と比べると激減しているのだから、高価になることは避けられない。このような環境下でも少しでもコストを抑えてバライタ紙でのプリントを楽しみたいという皆さんのために、このまとめ記事が少しでもお役に立ち、且つバライタ紙のフラットニングで挫折しないでもっともっとフィルム写真仲間が増えることを願って止みません。
ズボンプレッサーに関する補足
Solarisの橋本さんの記事を少し補足しておきます ↓
対応可能な最大サイズ
私がバライタ紙のフラットニングに使用しているズボンプレッサーは東芝の横型です。(ソラリスの橋本さんは縦型を使用されています)今市販されている東芝の横型の場合、私の経験上では、大四つ切サイズのバライタ紙までフラットニング可能です。
ILFORDの大四つ切のバライタ紙をフラットニングした直後の写真です↓
少しカーリングしますが、これは後述の仕上げ方法で直せます。重要なことは、端の部分に波状のビビりが全く残っていないことです。それが残っていると後処理をしてもなかなか完璧なフラットな状態を確保することが難しいと私は経験上感じています。
フラットニングの最難関
この10年で色々な印画紙のフラットニングをズボンプレッサーで試してみましたが、一番の難敵はILFORDの小四つ切サイズでした。なぜかしら、この印画紙の場合、水洗後乾燥棚において完全にカラカラに乾いた時、かなり激しく印画紙が波打ったような状態になったり、時には非常に激しくカーリングしたりして、その後のフラットニングが本当に大変でした。しかしこの難敵も、ソラリスのさんのまとめ記事にあるやり方でフラットニングすれば、ズボンプレッサーでも非常に綺麗に出来ます。
↓これが実際にフラットニングした直後のILFORDの小四つ切の場合です。カーリングはある程度しますが、端の方のビビりは全然ないです。
そんなに大変なら、小四つ切で焼かなければよいではないかと言われるかも。でも、個人的に私はこのサイズが非常に好き。小さすぎず、大きすぎず、私が住んでいる小さな家の壁に飾ると、なんかこのサイズがしっくり来るんですよねぇ。私がこの10年、この印画紙のフラットニングで悪戦苦闘を続けてきたのはそのためです。(小四つ切の想定で大四つ切に引き伸ばして、あとからカットするという方法ももちろんありだと思いますが......)
大きいサイズの場合の仕上げ方法
六つ切サイズ以下の小さいサイズの場合、フラットニング後のカーリングをなくすため、ソラリスさんのまとめ記事にある通り、本の間に挟んで本がギッチリ詰まった本棚にさし戻して1〜7日おけば、カーリングは完璧になくなり完全にフラットになります。
しかし、小四つ切以上のサイズの場合、それを挟める本が沢山あるとは限らないでしょう。
私の場合は、以下のようにトレーシングペーパーを乳剤面の側に当てて、アクリル板と木の板の間に挟み込んで、さらに木工万力で〆て1〜7日置きます。そうすると本に挟んで保管した場合と同様に完全にフラットな状態に仕上げることが出来ます。必要に応じてお試し下さい。
↓木工万力を一週間後に外した状態。まだカーリング残ってますがここまでくれば十分マットを使って額装するのには十分なクオリティーかと。
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