前回、’12年11月に台北に行ったときに購入した完全手作りのレザーバッグが届いた….と言っても、実際に自宅に届いたのは、お正月を少し過ぎた頃だった。
自宅に届いてから、まだ2か月程度であるが、最初家に届いたときには、皮の色がもっと白っぽかったのが、もうすでに、段々と茶褐色に近い色合いになってきた。これから使い込むうちに、もっともっと飴色に近い状態になっていってくれるのではと期待している。
仕上がってきた鞄を見て、最初に目についたのが、縫い目。いかにも手縫いしましたという風合いで、とても頑丈そう。皮の厚みは、4mm程度。一番頻繁に開け閉めするカバーの端の部分だけは、7mmまで厚くしてくれていた。縫い目といい、厚みの調整といい、仕事を丁寧にやってくれた証だと思う。しっかり手入れしながら、これから先出来るだけ長く使っていきたいと思った。
今回のバッグは、一眼レフ本体とライカM3をそれぞれレンズを付けたまま並べて入れることを想定して作ってもらったので、少し大き目。来年また台湾に遊びに行ったら、同じお店で製作をお願いするつもりなのであるが、今度はライカM3本体とSummilux 50mm F1.4など交換レンズを2本程度入れて、気軽にお散歩スナップするときに使うライカ専用のレザーバッグを製作してもらおうと思っている。
このバッグ、台北は、東区にあるFigure21というお店に製作を依頼した。お店に行ったとき、このお店のオーナーでありデザイナーでもあるDarrenさんの作品の丁寧な作りを見て、直ぐにオーダー・購入を決意。まずは、レザーのカメラ・ストラップを購入して、その場で、Darrenさんと鞄の完全オリジナル・デザインについて相談開始。
僕が最初に希望したのは、まずは普段一眼レフやライカを入れるのに使っているVANGUARDの鞄に使っているインナーをそのまま使えるようにしたかったので、このインナーがスッポリと収まるくらいのサイズにして欲しいことだった。一眼レフとライカM3を一緒に入れて撮影に出かけるときとかに丁度よい大きさで、僕が今まで使ってきた鞄の中では一番使いやすいものだったので、同じくらいの大きさにしたかった。
実際に、VANGUARDのインナーを今回買ったレザーバッグに移してみたのが右の写真。インナーの脇に、B5、A4サイズのパソコンやiPadが入るくらいのスペースができるように、鞄の幅に余裕を持たせるようにも、Darrenさんに頼んだ。このインナーは、仕切りを位置を変えられるので、一眼レフ本体とレンズを数本入れるようにすため、三つに仕切ることもできれば、仕切りを一つだけ入れて、レンズを付けた状態の一眼レフとLeicaM3を両方収納できるようにしたりと、自由度がある。レザーバッグにしてもこのインナーを使えるようにしたかったのはこの自由度が欲しかったからだ。
鞄の手前側には、大き目のポケットを二つ付けてもらった。片側のポケットだけで、Ricoh GR1VとGR1V用に揃えた各種フィルター類を収めたプラスチックケースが同時に入るようにして、さらに単行本一冊くらいが入る余裕をも持たせてもらった。もう一方のポケットには、フィルムを入れたり、レンズのフードやその他の小物を入れたりしようかと。
鞄の脇に、もう一つポケットを付けてもらった。このポケットは、斜め上側に口を開いているような形にしてもらった。僕は、露出計が付いていないLeicaM3を使っているので、鞄をタスキ掛けにして撮影しながら単体露出計を使いたいという場合に、出し入れしやすいポケットが欲しかった。このポケットの上側に、バックルつきの帯をつけてもらった。かなり大口をあけた状態のポケットになるので、鞄をタスキ掛けにして屈んだ場合など、単体露出計がポケットから滑り落ちてしまう可能性がある。それを防ぐために、バックル付きの帯に、単体露出計とつないだ紐を通しておけば、万が一単体露出計がポケットから滑り出てもこの紐で落下を防止できる。
鞄の脇に付けた開口部の大きいなこのポケットには、ペットボトルを入れても使いやすいようにした。ポケットは下に向かって絞り込んであるので、500mlのペットボトルだと背が高いので、上側に相当はみ出るが、はみ出た部分は、上側のバックル付きの帯を緩めて固定。帯をあまりきつく締め付けないようにすれば、ペットボトルの取り出しも収納もスムーズ。
ベルトの幅は、約5cm。一眼レフ本体に、交換レンズ数本を入れると、結構重たい。重たい状態で、タスキ掛けにしても、肩に食い込まないように、幅を広めにしてもらった。すぐに肩がこるもんで…..。
これは、鞄が届いた後で、気が付いたのであるが、タスキ掛けにするベルトの部分は、滑り止めの皮(色が焦げ茶の部分)が裏打ちされていた。あまりにもグリップが効きすぎていると、鞄をタスキ掛けにしたとき、滑らなくてよい反面、鞄を背中から手前にクルッともってきたいときなどは不便だ。ベルトに裏打ちされたこの皮は、タスキ掛けにしたとき、滑らない程度のグリップ感がある一方、鞄本体を背中から手前にもってくる場合は、ある程度ベルトが滑りやすいように配慮された丁度良い感じのグリップ感であった。Darrenさんの配慮に感謝したい。
昨年の11月に、鞄のデザインをDarrenさんと相談して決めて、帰国してすでに製作に入ってもらった後、Darrenさんから連絡がきた。鞄のカバーを止めるのに、僕は鞄手前の下部でボタンでポチっととめるように指定した。しかし、ボタンだと一眼レフ本体と交換レンズを数本鞄に入れて、持ち歩いた場合、その重さでボタンが外れる可能性があるという。そこで、写真のように十字掛けのホック式に変更した。ホック本体は、ポケットに直接設置するのではなく、写真のようにまず小さな革の帯をポケットの下部に付けて、小さな帯の上にホックがとりつけられた。こうすることで、ホックが手前に突き出すように恰好となり、カバー側の穴に通して十字掛けする作業がやりやすくなる。実際に使ってみて、Darrenさんの推奨通りにして良かったと思っている。鞄に思い切り一杯詰めた状態で、肩にかけると、ホックの部分に結構テンションが掛かってボタンだと簡単に外れそうな気がする。Darrenさんの配慮に感謝!
レザー製品には、弱点がある。水だ。雨でずぶ濡れになるようなことがあったら、皮の表面がボコボコになって相当型崩れするだろう。それを防ぐために、レザー製品専用の防水ワックスやスプレーも使い始めたが、直接雨水に触れるような状態は、やっぱり不安。僕が、今回レザーバッグを作成するにあたり、いままで使ってきたVANGUARDのバッグと大きさと合わせたかった理由の一つが、雨対策にあった。VANGUARDのバッグには、レインカバーが付いている。このレインカバーをレザーバッグにも流用できるようにしたかったからだ。実際に、VANGUARDのレインカバーを付けてみたのが、右の写真。思った通りに、サイズはピッタリ。
鞄の好きな場所にネームを入れてくれるというので、ポケットの片側に刻印してもらった。表面にカバーが掛かるので開けた状態にしないと見えない位置。
以上、こちらの要望・修正を色々と聞いてもらって、購入したお値段は、日本円に換算して40,000円前後。幅40cm x高さ30cm x 奥行20cmのカバンの値段として、高いか安いかは人それぞれでしょうが、僕にとっては十分安いといえるものでした。