根気がいるスポッティング作業

昨年の秋から自家現像を開始して、現像のやり方も自分なりに色々とトライしたいと思っているところですが、銀塩モノクロの現像作業の中で、一番神経を使う作業の一つがスポッティング。ネガフィルムにはどうしても、埃やその他のゴミが付着してしまいます。ネガフィルムを引伸機のネガキャリアにセットする前に、十分にブロアで埃を除去したつもりでも、どうしても付いてしまうことは多々あります。

下の写真の例では、印画紙の黄色い丸で囲んだ部分に埃の痕があることに、現像作業が終わったかなり後になってから気が付きました。

スポッティング3

現像作業が終わった後すぐに気が付けば、その場ですぐブロアで埃をとり直して、再度現像すればよいのでしょうがお風呂場暗室の場合、機材を一旦かたづけてしまうと、またセットし直すのにも時間がかかります。サラリーマンやっていると週末にしか時間とれないですから、こういう場合は、スポッティング作業で修正しています。面相筆と市販されているスポッティングカラーを使って、埃の痕跡を消していきます。とはいっても、暗室用品の販売が激減している昨今、スポッティングカラーを販売している
お店そのものが減ってしまいました。私の場合は、ヨドバシカメラのアキバ館で堀内カラー製のスポッティングカラーを購入しました。左下のオレンジで囲んだ部分は、上の黄色く囲んだ部分を拡大した画像です。右下の写真はスポッティング作業を行って
埃の跡を消した後の画像です。まだまだ、修練が足りないのでしょう。右下の写真をよくみると修正した部分に埃があったことがまだ少し分かってしまいます。でも、これでもかなり見栄えよくなった方です。

スポッティング1 スポッティング2

昨年、現像作業を始めたのと同時にスポッティング作業も始めましたが、最初のうちは失敗続き。黒色が濃すぎて修正した形跡がはっきりと分かってしまったり、筆に含ませた水分の量が多すぎて一度に沢山ボテッと印画紙の上に顔料を落としすぎたりと失敗の連続。
でも、続けてやっていると、少しづつコツが分かってきたような気がします。顔料の濃度は実際に画面の濃さよりも薄めにして塗布するという感覚ではなくて、極小の液の粒をを繰り返し印画紙の上に落とし続けるイメージで粘り強く作業さうることが必要
だと思いました。
因みに、上の修正例ではまだ少し修正した痕跡が分かってしまますが、実際に肉眼で印画紙の修正箇所をみた場合には、もっと目立たないです。ブログに掲載するためにスキャナーでとったのですが、どうも余計なところまで鮮明にスキャンしてくれたよう
です(笑)。