森の京都

もう一つの京都

 ’15年に京都に引っ越して来て、最初は下京区に住み、現在は東山区。京都市内も色々見どころがあるが、最近は「森の京都」と「海の京都」にも惹かれている。

 この前は、「森の京都」にある福知山周辺に行ってきた。

雲海

 秋になると、「森の京都」は未明から霧に覆われることがよくある。雲海から顔を出した山々に朝日がさす光景はすごく美しい。そんな簡単に都合よく朝日が出るタイミングで霧が出るものかと思うが、↓実際この写真はこの秋に京都から福知山に向かう途中で撮影した写真である。

森の京都で出会った雲海

福知山

 福知山は、森の京都と言われる地域の比較的西の方にあって典型的な盆地の地形。周りが山に囲まれていて市街の中心部に福知山城がある。今回行った時は、真っ青な晴天でとても気持ちのよい天気でお城からの眺めが素晴らしかった。

福知山城(1)
福知山城(2)
福知山城(3)

足立音衛門

 福知山城のすぐ近くにある栗を使ったお菓子のお店として有名。以前、栗が沢山入ったアイスクリームをお中元で頂いたことがあって、すごく美味しかったのでこちらのお店の印象が強く残っていた。福知山に行ったら是非訪れたいと思っていた。お店は古い町家作り。中に入るとお菓子を作る工房と売り場があって、落ち着いたモダンな雰囲気。

足立音衛門

 訪れた時は秋真っ盛りで、丹波栗を使用した本店限定の希少なパウンドケーキを購入出来てとてもラッキーだった。実際家に帰ってからコーヒーと一緒に頂いたのだが、洋酒に付け込まれた栗が少しネットリ感があって香りよく、上品な味に仕上がっていた。

足立音衛門 丹波(3)

 とても美味しかったので、これからは毎年この季節に福知山に行って、この本店限定のお菓子を買い続けたいと思う。

 

金型落水紙

 ところで、足立音衛門の丹波栗のパウンドケーキの包装に使わている和紙の装飾が本当に素晴らしかった。越前の和紙の漉き手で一番と称れる「柳瀬京子」さんが、流し漉きという匠技で水の流れを操って、均一に、薄く、そして濃密な和紙を漉上げて作られたそうだ。

足立音衛門 丹波(2)

 その繊細な和紙を、「柳瀬靖博」さんが、栗の模様を象った金型にセットして、手持ちのシャワーで散水しながら、和紙と金型の隙間を滴る水を絶妙にコントロールされて、すばらしい栗模様の和紙飾りを創られておられるとのこと。観ていて本当に飽きない繊細さと美しさ。額に入れて飾りたいくらいに、この和紙装飾自体が芸術品だと思う。