印画紙(バライタ紙)のフラットニングの問題、やっと解決。

 今年のお正月に、Leitz Valoy II を購入して早速現像作業を始めたのであるが、印画紙のフラットニングで少々躓いていた。

 僕は、あるプロの写真家の方のワークショップに参加して以来、RCペーパーは使う気がなくなってしまった。黒の質というか奥行き感というか、素人が何を偉そうなこと言っていると、皆さんから怒られそうだが、やっぱり暗室作業をやるなら、バライタ紙で焼きたいのである。

 しかし…..、バライタ紙がとにかく高くなった。2年くらい前は、好きな印画紙(ILFORD MG4FB1K サイズ:8X10 枚数:100)が10,000円前後で買えたが、今は円安の影響もあるのか、15,000円前後だ。

 そこで、比較的値段が安いORIENTAL イーグルVCFB (サイズ:8X10 枚数:100 現在10,000円前後)を練習用に使って、特に気合を入れて焼きたい作品のみ好きな印画紙で焼くというやり方にしようと思った。
実際に、イーグルVCFBで焼いてみると、印画紙が薄い影響なのか、乾燥した後のカーリングがかなり激しかった(カーリングの問題は、乾燥工程の工夫で解決。後日レポート予定)。イルフォードの印画紙の場合は、ズボンプレッサーにそのまま挟んで加熱するだけで、十分にフラットになったが、イーグルVCFBの場合は、そうはいかなかった。ズボンプレッサーの上に重さ20kg分の重しをしてみたが、やはりうまくいかない。

 自分でやったのでは、どうにもうまくいかないので、ヒットオンに水洗・乾燥した直後の印画紙を持っていって、ドライマウントプレスで、プレスしてもらうことにした。その際、ズボンプレッサーでもキチンとプレスできる筈とのお話があった。

 そして、僕の場合、印画紙を乾かし過ぎとの指摘を受けた。ある程度印画紙に湿気が残っている状態でプレスするのがよいとのことだった。とりあえず、ヒットオンに持ち込んだ印画紙数枚は、一旦もう一度水に浸し、再度乾かすところからやって頂くことにした。

 しかしである。僕はサラリーマンである。いつも、週末に自宅で現像の準備をして、水洗して乾燥棚に印画紙をセットするところまでは一日で出来るが、フラットニングまでは現像を実施したその日のうちに完了することは不可能である。貴重な週末である。残りの一日は、写真を撮りに行ったり、買い物に行ったりしたい。そうすると、翌週かもっと後でプレス作業をやろうと思うと、どうしたって乾燥棚に放置した印画紙は、どんどん乾いて、カリカリに乾燥し切ってしまう。一度カリカリに乾ききった印画紙を、ズボンプレッサーでプレスする際に、できるだけ手軽に適度な湿り気を帯びた状態に出来ないかと、色々試行錯誤した。

 最終的に、ある簡単な方法で、プレスの直前に印画紙に湿り気を再び持たせることに成功した。その方法は次回紹介します。

 さて、プレス作業はどうしたかというと、まずは、ある程度湿気を持たせた状態の印画紙を、デッサン用の中性の画用紙で挟み込みました。画用紙は表面があまり凸凹していないタイプのものを選びました。そして更に、画用紙二枚に挟んだ印画紙を、厚さ2mmのペーパーボード2枚の間に挟んで、ズボンプレッサーでプレス。プレスしている間は、20kgの重しをして圧縮。そして出来上がった印画紙が、以下のような感じです。特に、印画紙の端のほうが波打ったり、よれたりしていた問題が、完全に解消しました。

 

 

グレピ

 

お知らせ

 Solarisさんが、私が経験したズボンプレッサーによるフラットニングの試行錯誤の結果をもとにまとめ記事を作って下さいました。これからバライタ紙に焼いてみたいという皆さん、バライタ紙のフラットニングで実際にお困りの皆様と情報共有させて頂ければ幸いです↓

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