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Leicaにドップリ
Leica M10-RかLeica M10 Monochromeを今年購入したいと思っていたが、2021年11月11日にLeica M11に関する発表がLeica Camera AGからあるかもという噂がTwitter上で流れているのを見て、来年まで様子みて暫く待とうかと…、などと考えているとLeica関係の本をまた読みたくなってきた。
持っていなかった創刊号
カメラホリックが発売になってしばらくの間はその存在を知らなかった。前に勤めていた会社の仕事がメッチャ忙しくて、この本が発売された当時はあまり趣味のカメラのことや関連情報に気が回っていなかった。Leicaファンがみんな購入したせいか、気が付いた時にはもう電子本しか入手できない状況だった。その後、ずっと創刊号の状態のよい古本を探し続け、そしてついに見つけた。
今の世の中、電子本があれば十分かもしれない。でもこういう趣味にドップリ浸かった本は、仕事の後の寝る前とか週末時間がある時とか好きな豆でコーヒーを淹れて飲みながらじっくりとマッタリと読みたいし、典型的昭和人間の私は、こういう類の本は電子本ではなくて紙の本で読みたいと思う。今私の本棚には、かつて枻(エイ)出版から出ていたCAMERAmagazineの全号とライカ通信が並んでいる。Cameraholicsもこれから先、出来るだけ長く発刊を続けて欲しいものである。
創刊号のもくじ
- Mの流儀
- Leica M10-D Special Review
- Leica M10-P Special Review
- ライツパーク工場レポート
- ライカレンズの悩み方
- 柊サナカ×赤城耕一 ライカ購入記
- LEICAキーパーソンに聞く
- 巻き上げレバー型サムレスト カメラホリックが作っちゃいました!
- ハービー・山口 フォトエッセイ 良いカメラとは?
- カメラ史上最高額3億円を仕掛けた男
- ウェッツラー(Wetzlar)を歩く
- Héliogravure
- ビエーブル国際カメラ市
…..CameraholicsというよりLeicaholicsだな。これだけLeicaにドップリの雑誌が日本にあるというのが嬉しくなる。
個人的に特に気になる部分の感想をまとめてみた;
Impression
記念すべき創刊号の最初の特集がM10-D。このLeicaのデジタルカメラにはとても遊び心とある意味プロのLeicaオーナーさんに向けた挑戦とも見てとれる面白さがあると思う。
M10-Dには、今のデジタル一眼レフやLeica自身のデジカメでも当たり前のように搭載されている背面液晶がない。つまり、撮った画像をその場では確認できない。RVFも使えない。つまりデジタルカメラなのに、極めてフィルムカメラ的な使い方で撮るのだ。電子制御のファインダーではなく私が普段週末に使っているLeica M3同様に、光学式レンジファインダーの二重像でピント合わせをしてシャッターを切る。背面液晶がないから、撮った画像はパソコンやタブレット、スマホ等に画像をダウンロードしないと確認出来ない。フィルムを現像しないと撮った写真を確認出来ないというその感覚に近いものがある。
そして昔からのLeicaファンの皆さんの心にきっとグッときただろうと思うのは、フィルムカメラとしてのLeica M型と同様に、一見するとこれはフィルムカメラの巻き上げレバーではないか、エッ.......フィルムも装填出来るの????と一瞬誤解しそうなサムレストが付いていることだ。今年か来年、Leicaのデジカメを購入したいと思っているが、もし2台購入する余裕があるなら是非手にしたいとも思うが、いやいや残念ながらそう簡単にはいかん。
創刊号で、一番長い時間じっくりと見入ってしまったのがこの記事。パリ在住の写真家、櫻井朋成さんが取材されたフランス人間国宝ファニー・ブーシェさんによる「エリオグラビュール」と呼ばれる製版・プリント技法の作業風景。ブーシェさんが作業をされている様子を撮られた櫻井さんの写真がとても素敵なのである。ブーシェさんが生き生きとエリオグラビュールの作業をされる感じが誌面からビシビシ伝わってくる。記事によると、ブーシェさんは写真家の要望に応じてエリオグラビュールを用いて写真をプリントできる世界でただ一人の「刷り師」なのだそうだ。記事の中で実際に刷られた写真は、櫻井さんがパリ郊外のサーキットで撮られたというブガッティのクラシックなレーシングカー。これがまた凄くカッコイイのである。取材されたこの記事の作業風景を見るだけでも、エリオグラビュールというプリント技法が如何に手間暇かかるか、如何に高度な刷り技術が必要なのか素人の私でも感じ取れた。
最後の仕上げがプリント用紙の選定。プリントする紙がエリオグラビュールのエッチング用のものだと櫻井さんが撮られた写真の細かい階調が再現しきれないため、試行錯誤を繰り返した結果として、高級インクジェット用紙「ハーネミューレ」を選んだとある。紙の定義に拘らず今手元をにある作品を最高の状態に仕上げるために、可能な全てのオプションの中から最良のものを選ぶというブーシェさんの職人気質が記事から滲み出ている。
出来ることなら、エリオグラビュールで刷られた作品を実際に観てみたい。櫻井さんのTwitterのコメントから、丁度今月東京のRoonee247fineartsで展示されていたことを知った。コロナ禍ではさすがに東京には行けない。でも、観たいという思いを持ち続けていれば、いつかきっと出会える時がくると思う。その日を今から楽しみにしておこう。
これもまた桜井さんが取材されている。パリ郊外のビエーブルで毎年6月に開催される欧州最大級のクラシックカメラ市だそうだ。ここでもLeicaがズラリと並んでいたり、Focomatを置いている出店やジャンク品が沢山入ったBOXから真剣に掘り出し物を探そうとしている人たちや自作のピンホールカメラやビンテージカメラを復刻したレプリカを扱うお店などなど、カメラ市というよりも一大カメラ祭という感じを受けた。誌面からこのカメラ市のワクワク感や楽しげな感じがビリビリと伝わってくる。いやぁ〜、本当楽しそう。フランスにはもう長いこと行っていないが、こういう取材記事を見るとまた飛行機に乗って行ってみたくなる。いつか必ずこのカメラ市には行ってみたいと思う。
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